後悔しない家づくりの心得
建築用語から生まれたことば【おもしろ雑学】
お友達と話をしていて、この用語の語源て何だろうとよく調べる事があるのですが
今回はその中でひとつご紹介したいと思います(*^-^*)
▲【木版画】喜聞『歌川豊国(三代) 士農工商之内 工』より
うだつがあがらない
「うだつが上がらない」という言葉を耳にしたことはありますか?実はこの言葉、江戸時代の建築用語から来ていました。
うだつとは、関西発祥の日本家屋に見られる設備です。
うだつは防火設備と説明されることが多いですが、始まりは中世から近世にかけて日本家屋の屋根が風であおられないようにおさえる目的で作られました。これが江戸時代になると、隣家からの火が自分の家に燃え移らないようにするための防火目的として利用されるようになりました。
しかし、当時うだつを上げるには相当な費用がかかりました。そのため裕福な家しかうだつを設置できず、「うだつが上がらない」という表現が、なかなか成功しない人や、ぱっとしない状態を指すようになったそうです。
几帳面
「几帳面」は、細部にわたって行き届き、きちんとしている様子を意味する言葉です。「几帳面な人」「几帳面な性格」などの表現で聞かれた事があると思います。
几帳面な人は、仕事を丁寧に行ったり、時間をしっかりと守ったりすることが特徴です♪
語源は、平安時代に使われていた家具の細工です。「几帳」という家具が、貴人用に使う間仕切りや風除けのための家具として用いられていました。几帳の角を削り、細工として刻み目を入れた部分が「几帳面」と呼ばれており、隅々まで丁寧に細工が施されていたことから、そのようなきちんとした様子を「几帳面」と表現するようになったようです。
その他イロイロ
羽目(はめ)を外す:
板張りの羽目を外すと意匠が台無しになることから、何かが狂ったり、失敗したりすることを表します。
子は鎹(かすがい):
鎹は木材を接合する金具で、子供が家族を繋ぐ役割を持つことから、「子は鎹」という言葉が生まれました。
うだつがあがらない:
昔の家では、高層部分を「うだつ」と呼び、これが上がらないと家が完成しないことから、世俗的に出世しない状況を表します。
他にも、「本音と建前」、「束の間」、「こけら落とし」、「埒(らち)が開かない」など、様々な建築用語が派生した言葉として使われています。
建築からきた色々な言葉の語源をぜひ調べてみるとまた違った目線で楽しめるかもしれません。
ぜひ皆さんも調べてみて下さいね(^^)/
2025年6月7日